R_yu’s diary

吃音者のために

2021-01-01から1年間の記事一覧

#26 授業では2通りの答えを用意する

毎日のように、発言したくてもできない状況に置かれる。 発言するには、言いやすい言葉でないといけない。そう思っていた約10年間で編み出した技があった。 自分の実力を確認する答えと、発言用の答えを用意することだ。 問いに答えるには答えが必要だ。 今…

#25 カミングアウト後 その1

吃音をカミングアウトしてから、授業が始まる。 授業担当の先生全員にもカミングアウトしたこともあり、全員が配慮をしてくれた。 発表や発言をする機会を減らされたわけではない。 毎回、いける?無理そうなら違う問題答えてもいいよ。と、フレキシブルに対…

#24 クラスメートへのカミングアウト

去年4月、私の吃音はひどくなっていた。 それまで1年間、クラスメートにはバレないように必死に誤魔化してきた。それも限界が来た。 新クラスのオリエンテーションの日。 担任の先生に、私から話す時間を3分ください、と前もって言っていた。 連絡事項が終わ…

#23 私が声と引き換えに得たもの

私は声を使いこなすのが苦手、そう思い込んでる。 周りの人と比べれば、話すことに劣る。 その分、周りの人より優れている部分がたくさんあると感じている。 話せないからこそ、感じれるものがある。 この人がどう思っている、や、この人が言いたいことはこ…

#22 高校時代 吃音のせいで登校時間が早かった話

私の通っていた学校では、8時から8時30分の間に登校する生徒が多い。 自転車、電車で来る生徒たちはみんなワイワイしながら楽しそうに登校する。 私は違った。 登校時間は7時30分。 誰もいない時間に登校し、誰もいない教室で何分も暇な時間を過ごす。 私は…

#21 トラウマを「嫌な記憶」ではなくどう活かすか

私が今でも話す時に不安になったりしてしまうのは、小学生の頃に植え付けられたトラウマのせいであると思う。 正直な話、幼少期から吃っていたとしても、周りが決してバカにせず、除け者扱いにしなければ、精神的な問題にはなっていなかったと感じる。 過去…

#20 吃音者のはじめての留学 その3

週末になると、ファミリーとお出かけに行く。 そのホストファミリーの宗教関係上、週に一回教会に行く。私も行かなければならなかった。 30人ほどが集まり、神父の話を聞き、歌う。 話さなければならない環境以外、私にとってはなんてことはない。何時間話を…

#19 倒置法

最初に吃ることが多い。話し始めてしまえば、あとは流れに乗って話すだけ。途切れ途切れになることもあるが、重要なのは話し始めること。 私は倒置法をよく使う。たとえば、 「朝起きたときから熱っぽくて学校休みたい」 これが言えないとき、 「学校休みた…

#18 吃音者のはじめての留学 その2

留学先の学校では、日本人はとても珍しがられ、どんどん話しかけられる。#17 で書いた通りバディの子が人気者で、話す機会が多かった。 カタコト英語で話す私を見て、現地の女子学生達は嬉しそうに見てくる。初々しいのだろう。 自己紹介の後、質問攻めにさ…

#17 吃音者のはじめての留学 その1

私は高校時代、オーストラリアに短期留学した。 動機は、海外に興味があったことと、日本語から離れることができること。その世界を体験したかった。 あ行が苦手な私にとって、ありがとうをthank youと言える英語圏はとても居心地がよかった。 私は当時英語…

#16 吃音が発動するボタン

幼少期は遊ぶことが大好きで、放課後毎日毎日友達の家に行ったりしてゲームやカードゲームをして遊んでいた。 友達の家に着くと、インターホンを押す。 「こんにちは、〇〇です。〇〇くんと遊ぶ約束をしていて遊びに来ました。」 インターホンを押す前に、何…

#15 吃音を体験してもらうゲーム考案しました すごく簡単

みなさん朗報です。(もうあったらごめんなさい) 私は吃音症を少しでも体験してもらえるゲームを考えました。 大人数でも少数でもできます。 ①1人1つ、苦手な行を決められます(あ行、た行など) ②普通に会話しますが、指定された苦手な行の文字が入ってい…

#14 人とは違う私の就活(現就活生)

私は就活生。 したい仕事や楽しそうな仕事は山ほどある。 しかし、毎日続けてできそうな仕事は、ほんのすこしだけだ。 私の場合、まず選考方法が企業選びの軸になる。 一般的に、個人、グループ面接、筆記、ディスカッションなどがあるが、吃音の私にとって…

#13 電話しなければならない状況、どうすればいい?

普段生活をしていると、どうしても電話をしなければならない時がある。私たち吃音者にとっては生きづらい世の中だ。 私は何が何でも電話を避けていた。 子供の頃、美容院の予約を母に促されると、電話をしたふりをして、一か八かで美容院に行っていた。 出前…

#12 吃音者なのにプレゼンが好きな理由

ご存知の通り、私は吃音難発型だ。 しかし、私はプレゼンを行うことが好きだ。 もちろん人の前で話すことに抵抗は少しある。 詰まったらどうしよう、吃った時みんなの反応はどうなんだろう、とよく想像しては、しんどくなる。 私は幼少期から吃音で悩んでい…

#11 吃音者の私にとっての神店

コンビニで食べたいものを注文できない。 マクドでも食べたいものを注文できない。 どこに行ってもそうだ。 毎日そんな日々が続く。 私はあ行が苦手なこともあり、マクドナルドに行くことは苦痛でしかない。 ポテト、ドリンクにはサイズが割り振られていて、…

#10 吃音ってなに?どんな悩みを持っているの? その1

吃音症の人は、スムーズに話せません。 しかし言いたいことは全て頭の中にあります。 思っていることを「声」として、人に伝える能力に欠けています。 詰まってしまったり、同じ文字を繰り返して言ってしまったり。常人には考えられない悩みを持っています。…

#9 初めて私と同じ吃音者と出会った日

20年間、吃音の問題を1人で抱え込んできた。 相談できる相手は2、3人ほど、それでも完全には理解してもらうことは難しい。 そんなある日、カリフォルニア出身の外国人の先生と出会った。 彼はスピーチの仕事もしていて、人の前で話すことが好きなんだそうだ…

#8 周りに理解してもらえない吃音者の方へ

「吃音?落ち着いて話せば大丈夫」 何度も何度も言われ続けた。慌ててるわけではない、緊張してるわけでもない、でも、詰まる。 どう説明すればいいのだろうか。 声が出にくい。話しにくい。これじゃ到底理解してもらえないと、私は経験上こう思う。 あくま…

#7 あえて話す機会を作る。理解を得る。

今回は少し長くなってしまったが、是非読んで欲しい。 もちろんご存知の通り、吃音者にとって話す機会は無い方がいい。むしろ機会があればあるほどストレスが増し、精神的に辛くなるだろう。 高校の時、プレゼンテーションの授業が多かった。毎回が地獄で、…

#6 言い換えれない時

友達との会話の中で絶対に避けて通れないのが、特定の固有名詞。人の名前や、土地の名前など言い換えれないものだ。 例えば、山田先生。苗字が「山田」の人には「山田」としか呼べない。他に言い換えができない。下の名前で呼ぶのも一つの方法、あだ名をつけ…

#5 吃音のおかげで得た考え方の幅の広さ その1

私は、あ、な、わ行が特に苦手。 ありがとう。おはよう。このようなフレーズが言いにくいため、基本的なコミュニケーションに欠けてしまう。 ある日、私はこう思った。 日本語から離れれば良い。 こう思った当時、私は英語を全く知らなかった。ありがとうはt…

#4 過去の話(小学校時代身につけた技)

吃音症を持っている私にとって、学校生活は地獄でしかなかった。 したいことができない。しなければならないこともできない。周りは私のことをバカだと捉えるようになった。 授業中、先生は生徒に回答を求めることが多いだろう。先生は、私が上手く話せない…

#3 過去の話(小学校)

小学生で他人の気持ちを完全に理解することは難しいと思う。 一つ例を挙げる。 小学校では音読がある。国語の授業では1文ずつみんなで読んでいく。出席番号順に読んでいく場合、私の出席番号が10番だとして、私の読む文は10文目。 音読が始まると、何よりも…

#2 過去の話(小学校)

小学校に入ると、友達とのコミュニケーションが大事になってくる。一般的な小学生だと、友達を作り、遊び、勉強し、6年間過ごすと思う。 私の場合は違った。 クラスメートに話しかけることができない。休み時間もサッカーやドッヂボールをしたかったが、誘わ…

#1 過去の話(幼少期)

私のことを知ってもらうために過去の話をしましょう。 初めて違和感を感じたのは保育園で遊んでいた時。 おもちゃを貸して欲しいのに、貸して、と言えなかった。それが私の吃音の始まり。 その頃は特に気にすることもなく、堂々と言葉に詰まっていた。バカに…

#0 初めまして。

初めまして。 私がブログを始めた目的はただ一つ、吃音症で悩んでいる方々の力になるためです。 私自身、吃音に悩まされてきました。 物心がついた頃にはもう、吃音に悩まされていました。しかし今では話すことが楽しく感じるようになりました。 私の経験を…