#5 吃音のおかげで得た考え方の幅の広さ その1
私は、あ、な、わ行が特に苦手。
ありがとう。おはよう。このようなフレーズが言いにくいため、基本的なコミュニケーションに欠けてしまう。
ある日、私はこう思った。
日本語から離れれば良い。
こう思った当時、私は英語を全く知らなかった。ありがとうはthank youに言い換え、おはようはgood morningに言い換えれる。英語を勉強すれば、人生は変わると思い、語学系の学校に進学した。
日本語が嫌で英語を勉強する人はごく稀だと思う。
英語を勉強しているうちに、壁にぶつかった。
英会話の基本となる、質問。質問する時は9割、5W1Hを使う。私はわ行が苦手なのに。
普通の人は、何の躊躇いもなく5W1Hを活用する。
しかし、私はそれができないので違う方法を使うしかなかった。
詳しく話すと専門的な話になってしまうので、後日分けて話すことにするが、簡単に話すとこうだ。
今何時ですか?と聞く時、What time is it?を使う。
しかし、What を避けたい私は、
Is there a clock nearby?(近くに時計はありますか?)
のように、遠回しに聞いたり、言いやすい文に言い換えて過ごしていた。頭の中では、みんなと同じような文を思いつくが、言えないためにこうするしかなかった。
このような手法を何年間も続けているので、1つのことを聞くためにする質問のパターンは、周りの10倍はあると思う。
吃音に生まれて、得をしたうちのひとつである。