#4 過去の話(小学校時代身につけた技)
吃音症を持っている私にとって、学校生活は地獄でしかなかった。
したいことができない。しなければならないこともできない。周りは私のことをバカだと捉えるようになった。
授業中、先生は生徒に回答を求めることが多いだろう。先生は、私が上手く話せないにも関わらず、周りの生徒と同じように私を扱った。
未だにこれが良いか悪いかわからない。
自分で言うのは少しあれだが、私は勉強が出来るタイプだった。
どんな問題も解けるし、テストでは毎回100点を取っていた。
毎回テストで100点を取る子が、授業中に全く答えられなかったらどう思うだろうか。
不自然に違いない。
小学生ながら、この不自然さに気付いてしまった。
私に出来ることは二つ。
一つは、テストで、あえて低い点数を取ること。低い点数を取ることで、勉強ができないと周りに思い込ませれば、自然だと思った。
二つは、授業中にみんなの前で回答するチャンスを消すことだ。授業中寝ていれば、先生は私に回答チャンスを与えることもない。
考えに考えた私は、二つ目を選んだ。
小学校ではこのような方法で過ごしていながらもテストでは点数を取れていたが、中学校、高校ではそう上手くはいかない。
後日、中学校、高校時代の話をする。