#22 高校時代 吃音のせいで登校時間が早かった話
私の通っていた学校では、8時から8時30分の間に登校する生徒が多い。
自転車、電車で来る生徒たちはみんなワイワイしながら楽しそうに登校する。
私は違った。
登校時間は7時30分。
誰もいない時間に登校し、誰もいない教室で何分も暇な時間を過ごす。
私は自転車登校だった。
自転車置き場には自転車を整理する先生が朝多く立っていた。
私は体育科に在籍していたので、体育科の先生に会っては自衛隊のように挨拶をしなければならない。
「おはようございます。」
中学校から吃らずに言えた試しがない。
さらには自分から言うなんてことは到底できなかった。返事としてならまだ言えたが。
先生達は自転車を整理しているのでこちらから声をかけないと気付いてもらえない。
入学当時、何回も先生の後ろで無言で声を絞り出そうと頑張ったが無理だった。そこから諦めた。
多くの生徒が来ない時間帯に登校することに決めた。誰よりも来るのが早かった。
おかげで朝は先生と会うことがなく、3年間やり過ごせた。
吃って怒られることに比べたら、朝早く来ることは苦ではなかった。