R_yu’s diary

吃音者のために

#7 あえて話す機会を作る。理解を得る。

今回は少し長くなってしまったが、是非読んで欲しい。

 

もちろんご存知の通り、吃音者にとって話す機会は無い方がいい。むしろ機会があればあるほどストレスが増し、精神的に辛くなるだろう。

 

高校の時、プレゼンテーションの授業が多かった。毎回が地獄で、グループでするときはいつもセリフを少なくしてもらっていた。グループでするのはありがたい。気持ち的に楽だった。

 

ある日、個人でプレゼンをする試験があった。

周りのみんなは、台本を読み、必死に頭に内容を入れる。私は絶望に駆られ、台本を作らなかった。

結果、台本を作らない方が話しやすいことに気が付いた。アドリブだと、その瞬間の言いやすい言葉を繋げ、あたかも吃音者ではないように、すらすらと話せるのだ。

その時から、みんなの前で話すことが好きになった。まだしっかりと話せないにも関わらず。

 

高校卒業後、私は外国語学系の専門学校に入った。

私の通っている学校は、週約15コマあるうち、10コマは話す授業だ。

正直、辛い。恥をかくことや劣等感を感じることがほぼ毎日のようにある。

1年が経ったころ、私はクラスメート、授業担当の先生全員に吃音者であることを打ち明けることにした。その瞬間から皆んなの理解や配慮ができ始め、とても学校生活が楽しくなったのだ。

 

カミングアウトが必ずしも正解とは言えない。私のいる環境では、たまたまカミングアウトが正解だった。

吃っても馬鹿にする人はこのクラスにはいない。

先生に問題を当てられた時、詰まってしまって何分経とうと、茶化すものはいない。

どうしても言えない時、「代わりにこの問題を答えてもいいですか」と聞くと、快くOKしてくれる。

プレゼンテーションの直前。「やっぱりこの言い方に変えてもいい?」とグループの友達に言うと、絶対に嫌とは言わず、「どんな言い方に変わってもいいよ!どの言い方も無理だったら、内容を変えるから気軽に言って!」と言ってもらえる。

 

吃音者があえて話す授業が多い学校に入学した。

結果、うまく話せなくても、私自身の考え方や、周りの人たちの理解が感じられ、とてもいい経験になったと感じている。

 

是非読んで頂いた方々に、勇気を出してほしい。

 

カミングアウトじゃなくても、挑戦する勇気を。

 

私はいつでもあなたを支えています。大丈夫。

何かあったら話を聞きます。どれだけでも聞きます。