R_yu’s diary

吃音者のために

#3 過去の話(小学校)

小学生で他人の気持ちを完全に理解することは難しいと思う。

 

一つ例を挙げる。

小学校では音読がある。国語の授業では1文ずつみんなで読んでいく。出席番号順に読んでいく場合、私の出席番号が10番だとして、私の読む文は10文目。

 

音読が始まると、何よりも先に自分の読む文を探す。これは言えそうだな、これは言えなさそうだな、と瞬時に判断する。

 

言えそうな場合は何も問題ない。9番目の子が読み終わり、1文読む。たったこれだけのことだ。

 

しかし、言えなさそうな文が回ってきたらどうだろう。私自身当時は、声に出すために30秒くらいかかっていた。沈黙が続き、だんだんと周りがざわつき始める。口は開いたまま、声は出ない。

クラスでの中心人物的な存在の者は、面白がって私の様子を真似し始める。

笑って誤魔化すが、心は粉々に砕け散る。

 

誰も心配しない。皆んな、笑いものにする。

 

そんな日々が6年間続いた。