R_yu’s diary

吃音者のために

#19 倒置法

最初に吃ることが多い。話し始めてしまえば、あとは流れに乗って話すだけ。途切れ途切れになることもあるが、重要なのは話し始めること。

 

私は倒置法をよく使う。たとえば、

「朝起きたときから熱っぽくて学校休みたい」

これが言えないとき、

「学校休みたい、熱っぽい、起きた時、朝」

となる。

とても不自然な文だが、理解してもらえるかに変わりはない。

 

幼少期からこの方法を使っていたため、何も考えずに無意識的に自分の言いやすさに並び替えることができるようになった。

 

しかし、LINEなどメッセージでも並び替えてしまう癖ができた。吃音は関係ないのに、だ。

言いやすいように並び替えることで、少しでも話しやすくなるのではないだろうか。

 

もし話し始めに詰まってしまうのであれば、実践してみるのもいいかもしれない。

 

これは「克服」「改善」ではなく、一つの方法として捉えてほしい。

これで吃音が治るわけじゃないし、吃らなくなるわけでもない。コミュニケーションにおいて、スムーズに話せるようになるだけだ。

 

しかし実践してみるのも良いかもしれない。矯正ではないし、いつも吃っているフレーズを思い出して、言いやすく並び替えれば、何も普段から心配することは無くなるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#18 吃音者のはじめての留学 その2

留学先の学校では、日本人はとても珍しがられ、どんどん話しかけられる。#17 で書いた通りバディの子が人気者で、話す機会が多かった。

 

カタコト英語で話す私を見て、現地の女子学生達は嬉しそうに見てくる。初々しいのだろう。

自己紹介の後、質問攻めにされる。

ただでさえ英語で質問に答えることが難しいのに、吃音がさらにそれを難しくさせる。

 

「好きなスポーツは?」と聞かれ、「バスケットボール」と答えたいが、吃ってしまう。

もういいや、と思い、「サッカー」と答えると、休み時間にサッカーに誘われる。

 

「この近くに美味しそうと思った店はあった??」と聞かれ「フィッシュ&チップス」と答えたいが、吃ってしまい、「リンゴ」と答える。

リンゴを使った料理が出る店に連れて行ってもらえた。が、フィッシュ&チップスも食べたかった。

 

言いたいことが言えない。日本語でさえ難しいのに、英語の世界に入るともっと難しくなる。

 

しかし、サッカーをしたり、リンゴばっかり食べても辛くはない。

私はthank youと吃らずに言える。日常的な挨拶や、ちょっとしたフレーズは吃らなかった。

 

これだ。と確信した私は進路を英語関係に決めた。

将来、英語を使い生きていくぞ。そう決めた。

 

#17 吃音者のはじめての留学 その1

私は高校時代、オーストラリアに短期留学した。

動機は、海外に興味があったことと、日本語から離れることができること。その世界を体験したかった。

あ行が苦手な私にとって、ありがとうをthank youと言える英語圏はとても居心地がよかった。

 

私は当時英語が全くわからなかった。中学校で習う単語しか知らず、吃音関係なく話せなかった。

 

ホームステイなので、バディの子と生活をする。

私のバディの子はトム。とてもイケメンな青年で、学校内でも人気者だった。

 

彼は日本に興味があり、日本語を勉強していた。

滞在中、お互いに母国の言葉を教え合っていた。

 

初日、トムが日本語で会話してみたいと言った。

吃音症のことを知らない彼は、私が日本語を流暢に話すと思っていたのだ。

いざ会話してみると、私は沈黙せざるを得なかった。私の独特な言い回し(自分の言いやすい言い方)で言うと、彼はそれを覚えて変な日本語になってしまうからだ。

彼は不思議そうな顔をするが、『日本語は日本人でさえ難しいと感じる』という知識を持っていたため、なんとか誤魔化せた。

 

私は倒置法を多用する。言いやすい言い方に変えるためだ。(後日詳しく書く)

 

英語で話すとなると、英語が難しく、話せないふりをすれば吃音は隠せる。そう思い、滞在中は英語でしか話さないと決めた。

 

 

 

 

 

#16 吃音が発動するボタン

幼少期は遊ぶことが大好きで、放課後毎日毎日友達の家に行ったりしてゲームやカードゲームをして遊んでいた。

 

友達の家に着くと、インターホンを押す。

「こんにちは、〇〇です。〇〇くんと遊ぶ約束をしていて遊びに来ました。」

 

インターホンを押す前に、何回も頭の中や、独り言で練習する。何分も友達の家の前で練習をし、押す。押した瞬間、言えなくなるのだ。

私の声を聞く人がいる、話さなければならない状況に変わると、急に言えなくなる。

 

インターホンを押すのは自分のタイミング。自分が準備できれば押せば良い。準備ができたとしても、それは無駄になる。

 

自分でタイミングを決める際、私達は吃ってしまうことが多いのではないのだろうか。

自分から話す環境に急に飛び込むと(インターホンを押すことなど)吃りやすくなってしまう。

 

私が気付いたのは、

 

インターホンや電話のボタンなど、自分の意思や行動によって話す環境に移る際、喉にふたがされる。

結論として、これらのボタンは喉のふたを閉めるボタンなのだ。

 

私は根性論が大嫌いで、このボタンと喉の作用を気持ち次第でなくせるとは言わない。言いたくない。

 

しかし、ふいにインターホンで話せたこと、電話ですらっと話せたことがある場合、その成功体験を鮮明に思い出せるくらい、大事にしてほしい。

まだ成功経験をしていない人は、今後、ふとしたタイミングで成功する瞬間が訪れるかもしれない。

決してその体験を忘れないよう、大事にしてほしい。

 

その経験が、自身につながり、成功体験が増えることにつながる。

失敗しても大丈夫。私を含め、当事者の方が見守っている。

 

 

 

 

 

 

#15 吃音を体験してもらうゲーム考案しました すごく簡単

みなさん朗報です。(もうあったらごめんなさい)

 

私は吃音症を少しでも体験してもらえるゲームを考えました。

 

大人数でも少数でもできます。

 

①1人1つ、苦手な行を決められます(あ行、た行など)

 

②普通に会話しますが、指定された苦手な行の文字が入っている言葉は言えません。どうしても言いたい時は違う言い方に言い換えます。

(例)もしあ行が苦手な人になった場合

×ありがとう 大阪 家 が言えないので、言い換えると

⚪︎感謝します 京都の下 我が家 などなど

 

③ただこれだけです。少しでも吃る大変さを体験してもらえるのではないでしょうか。

 

これはあくまで難発型なので、伸張型を体験してもらう時は、2秒伸ばさないといけない。などのルールを付けてみてください。

   

#14 人とは違う私の就活(現就活生)

私は就活生。

したい仕事や楽しそうな仕事は山ほどある。

しかし、毎日続けてできそうな仕事は、ほんのすこしだけだ。

 

私の場合、まず選考方法が企業選びの軸になる。

 

一般的に、個人、グループ面接、筆記、ディスカッションなどがあるが、吃音の私にとって周りの人と同じ舞台で戦えるのは筆記(SPIなど)、ギリ挑戦できるのは個人面接。グループは到底できそうにない。

 

マイナビなど、サイトで企業を探す。

良さそうな企業をピックアップするが、実際に頑張れそうな企業は100つに1つ。選択肢が狭くなる。

 

去年の6月、私は大手物流企業にエントリーした。

このご時世もあり、一時面接はリモートだったので、吃ったとしても電波を言い訳にし、なんとか通った。

 

最終選考、対面式の面接だった。

2人の面接官に圧倒され、私はスムーズに話せなかった。結果、落ちた。

スムーズに話せることが大前提。社会とはそういうものなんだと、痛感させられた。

 

私はその経験からむやみにエントリーしても失敗経験が積み重なると思い、1年間で5社くらいしか受けなかった。ほぼ全て吃音のせいであしらわれたが。

 

今私が採用通知待ちの企業は、吃音に理解がある企業で、初めて入社したいと思えた企業だ。

 

私は将来、吃音症で働くことに抵抗がある方々に安心して入って頂ける企業を作る。

 

私が起業を成功させた場合、是非吃音症の方々に入っていただきたい。

 

 

#13 電話しなければならない状況、どうすればいい?

普段生活をしていると、どうしても電話をしなければならない時がある。私たち吃音者にとっては生きづらい世の中だ。

 

私は何が何でも電話を避けていた。

子供の頃、美容院の予約を母に促されると、電話をしたふりをして、一か八かで美容院に行っていた。

出前もろくに頼めない。友達とも電話ができない。

人生の2割損している気分だ。

 

私がみなさんに聞きたいことは、

どうしても電話をしなければならない時、どうしているか。ということだ。

重度の吃音者にとっては、電話をかけること自体がもうストレスになるし、スムーズに話せる保証が全くない。

電話が鳴り響いた瞬間、心が苦しくなる。

 

電話が苦手なことを周りの人に話し、代わりに電話に出てもらう、とか、電話をメールやLINEに変えてもらう配慮をしてもらっている、とか。

これらのように何か対策をしている方は是非教えてほしい。

 

よろしくお願いします。